クロールのクイックターンの指導法

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 クイックターン指導は、1回目がとても重要です。
 鼻に水が入って、痛い思いをすると2度とやろうとしな
い人もいます。
 その代わり出来るようになると何回転も連続して回って
遊びます。
 回れるようになればクイックターンは簡単ですが、うま
く回転できないと結局できるようになりませんので、代替
えのターンを教えるしかありません。

 最初がすごい大切なので、手順を追って指導しましょう。
1.最初は、鼻から息を出す練習です。
2.次は、両手で5回掻きます。
3.1回見本を見せましょう。
4.後ろ回りをやって見てください。
5.後ろ回りが出来たら前回りに挑戦です。
6.練習方法は、泳いでから回ります。
7.壁に向かって泳いでターンしてみましょう。
8.コーチの補助法は2ヶ所です。
まとめ

1.最初は、鼻から息を出す練習です

 コップを下に向けて水の中に入れても、水はコップの中
に入っては来ません。
 コップを横に向けるか、上向きにすると水が入ってきま
す。
 人の鼻の穴も普段は下向きですので水中に入っても水は
、入ってきません。
 ところが、回転するときは、横向き、逆さになるので水
が入ってきます。
 その間は鼻に水が入ってこないように、息を出している
必要があります。
 1度に「ブァ」と出すのではなく、5カウント位出し続
けた方が良いので、5カウント数えて出します。
 鼻から出すのでハミングを5カウント続けます。
 「ンーンーンーンーン」

2.次は、両手で5回掻きます

 次は、腕を少し曲げて、前から後ろに5回掻きます。
 途中で手を止めないように、必ず5回掻き続けます。
 出来るようになったら、立ったままハミングしながら
5回掻いてみましょう。
 ハミングを忘れると、鼻に水が入ってきて痛い思いを
します。
 手を搔き続けるのを忘れると回転が止まります。
 立ったまま、水を搔きながら「ンーンーンーンーン」
ハミングします。
 立ったまま、2~3回練習してから本番です。

3.1回見本を見せましょ

 「百聞は一見に如かず」は指導の鉄則です、やって見せま
しょう。
「言葉で説明するのは大変難しいがやって見せるとわかりや
すい。」と言うものは数多くあります。
 特にこの方法は後ろ周りだからです。
 なぜ後ろ回りから教えるかと言うと、後ろ回りの方が簡単
だからです。
 鉄棒の前回りより逆上がりの方が簡単です。
 膝を曲げ、前に持って行って回ります。
 大車輪も同じです。
 先入観があるので、前に回ろうとする場合が多くありま
す。
 やって見せて、後ろに回る説明をしてから、ハミングと手
を止めないようにやって見せましょう。 

4.後ろ回りをやって見てください

 実はここにも、作用反作用の力学的法則があるのです。
 子供には、そんなことは教えてもわかりませんが、成
人指導の時は説明した方が理解してもらいやすいです。
 (子供と大人の指導法の違いです。)
 水泳初心者の時にも説明しましたが、立つときには、
「両腕で水を後ろにしっかり掻いて膝を前に持って来て
から立ちます。」
 両腕で水を後ろに押す(作用)と、押した分だけまえ
に進みます(反作用)、同時に膝を胸に引き付けると、
膝が前に来ます、(ここまでは立つときと一緒ですが)
そのまま5回続けると膝は前に進み続け1回転します。
「鼻に水が入って痛い人はハミングを忘れた人です。」
 これも必ず伝えましょう。

※補助法は簡単です
 向き合って、相手が回りだしたら、両足を上にあげて向
こうへ押します。
 勢いがついて簡単に回ります。 

 体をそらしたまま1回転してしまうやり方は、膝を曲げ
るやり方に変えていった方が良いです。
余談ですが
 この後ろ回りは、個人メドレーの背泳ぎから平泳ぎの
クイックターンに使えます。
 パケットターンとは違いますがクイックターンになり
ます。

5.後ろ回りが出来たら前回りに挑戦です

やり方は、鼻から息を出すのは後ろ回りと一緒です。
手の掻きは逆になります。
前に水を押しながら頭を前にグーと入れます。
手で水を1回だけ頭の方向に押して回ります。
足はドルフィンキックを1回けってから曲げます
鼻に水が入って痛いのは、ハミングを忘れている証拠です 
前回りの方が回りにくいので回転を速める方法があります。

・頭を少し上げてから一気に入れる
・回る時、ドルフィンキックを打つ
・両手を掻いてから、頭の方に水を押しながら回る

注意点
 斜めに回っていると一回転する正しい回り方がだんだん
できなくなりますので、回り終わったとき進行方向を向い
ているように注意しましょう。 
 斜めに回る癖がついている場合は、回りだすとき頭を横
に振ります。真っ直ぐ下に入れて、頭をおへそにつけるイ
メージで回りましょう。

3.練習方法は、泳いでから回ります

クロールで泳いでから回ってみましょう。
回れるようになったからと言って、いきなり壁に向かって
泳いでいくと壁の前で止まって回れなくなります。
壁をけって5mまでで泳いで回る練習をしましょう。
すぐに終わるので、10人くらいで行っても何回も練習でき
ます。
コツは、回り終わったときに進行方向を向いていることで
す。
斜め回りをしているとだんだんできなくなっていきます。
壁を蹴って泳ぎだして、5mラインまで泳いで回ります。
回り終わったとき、進行方向を向いていることが大切です。

補助法は
 回る時に頭を下に軽く押してあげる方法があります。
 回る後半では、回りきらない足を少し押して回します。
拒否反応は
 頭が回りきる直前で逆立ちします

※ 原因は二つくらいです
  ・鼻から水が入るのが嫌で身体が拒否してしまう。
  ・体が回転することを認知できないで拒否してしまう。
※ 対処法
  ・前回りも後ろ回りもそうですが、「鼻をつまんでい
  てね、回してあげるから。」
   鼻をつまんでいると、難なく回れることは多々あり
  ます。
   これは、数多く練習しているとできるようになりま
  す。
  ・体が回転することを認知できないで、本能的に拒否
  している場合は、無理に教えようとすると耐えきれず
  に止めてしまいます。
   この場合は、無理をせず斜め回りターンを教えまし
ょう。
   頭を横に回して、体を横に振ってターンします。
   徐々に普通にできるようになる場合もあります。 

練習方法
  ・壁を蹴って、け伸びをしてから泳ぎだします
  ・クロールで泳ぎだし、1.右手を掻いて(又は左)
  2.左手を掻いて(又は右)両手を後ろで止めて
  3で三つの動作を同時に、頭をグーと中に入れ、ドル
  フィンキックをして、後ろに止めていた両手で頭の方に
  水を押します。これで回転スピードが上がって回りやす
 くなります。
  最初はタイミングが合わないので回転を補助してやると
 覚えやすくなります。

 正しく回転できるようになってから、壁に向かって練習し
ましょう。 

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4.壁に向かって泳いで
   ターンしてみましょう

出来れば一回見本を見せてからやります。
5mラインから泳いできてクイックターンして見せます。
手が付きそうになったら回るが正しいのですが、最初は
それもわかりません。
最初は手がついてから回るでOKです。
すごいスピードで泳いでくるわけではありませんので、
手がついてから回っても頭をぶつけるようなことはあり
ません。
「クイックとは、速くという意味だがスローモーション
ターンでやってね。」と、必ず言います。
いい加減にやっていると、やればやるほど出来なくなっ
ていきます。
正しくやっていると自然にだんだん早くなっていきます。

 ・泳いでいき、手が付きそうになったら回る。
 ・必ず両足を付ける。
 ・下を向く
 ・両手を前に出してから蹴る
 ・泳ぎだす 

出来るだけ横回りでなく1回転する
両足を必ず壁につける、片足のまま蹴らない
手でかいてもいいので必ず下を向く
両手を前に出してから蹴る(先々のストリームラインにつ
ながってゆきます
け伸びをしてから泳ぎだす

5.コーチの補助法は2ヶ所です

最初のうちは、回転がまだ不足の場合が多いので、回りだ
すときに頭を下に軽く押し込むようにします。
軽く押せば、あとは自分でマあります。
同じように回転不足だと、足がうまく壁つつかないので手
を添えて足を壁につけます。
足が壁につけば、蹴って泳ぎだせます。

まとめ

クロールのクイックターンが出来ると背泳ぎのクイック
ターンもできます。
やり方は一緒なので下を向くタイミングだけの問題です。
また後ろ回り練習は無駄ではありません、背泳ぎから平
泳ぎのクイックターンで将来使えるようになります。

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