水泳トレーニングの3原理5原則

スポンサーリンク

 トレーニング効果を高めるには、やはり原理原則にのっ
とって行うのが良いと思いますし分かりやすいです。
 いろいろな分け方があると思いますが、「3原理5原則」
と言う分け方が私には理解しやすいです。
 
 3原理
  過負荷の原理
  特異性の原理
  可逆性の原理
 5原則
  継続性の原則
  全面性の原則
  意識性の原則
  漸進性の原則
  個別性の原則

 トレーニングを積んで、徐々に成績を向上させてゆくわ
けですが、ハードな練習を徐々に負荷を増して継続してゆ
くわけですから、強い心がなければできません。
 ハードな練習に気持ちで耐えることが出来る人(人間)
だからできることかもしれません。
 競馬が好きで、競馬のコラムも読みますが、夕刊フジの
「小島良太のALL that KEIBA 」の記事で「馬は、長距離の
時も短距離の時も調教は同じです。馬には今度は長距離に
出るとかはわかりませんので過負荷をかけてしまうと終わ
ってしまう場合がある。」と言うことでした。
 「なるほどだから、やりすぎないようにしました。」等
のコメントがあるのかと思いました。
 一方人の場合は、大きな目標がわかっているとそれに向
けて過酷な練習にも耐えることが出来る能力があるのだと
知りました。
 東京オリンピックで金メダルを取った女子バレーボール
チームの回転レシーブは過酷な練習を乗り越えてきた技で
した。
 3原理5原則も動物ならば当てはまるわけではありません
心を持つ人間ならではの原理と原則なのです。
 スポンサーリンク

Amazon.co.jp

3原理

 1.過負荷の原理

 「今以上に負荷を上げなければ高原状態になる。」と言
うことです。
 「それ以上伸びなくなる。」と言うことです。
 高原とは標高がある程度高いが、上が平らになっている
ところを高原と言います。
 ずっと同じ負荷でトレーニングしていると、その練習で
発揮できる能力以上の力が出るようにはならないでしょう。
 スポーツのトレーニングとリハビリのトレーニングの違
いもここにあります。
 リハビリのトレーニングは、例えば足の筋肉が落ちて歩
けない場合には、つらいトレーニングも歩けるようになれ
ば目標達成で終了となります。
 スポーツの場合は、例えば100mを1分以内で泳ぎた
いという目標の場合は、59秒で泳げるようになれば目標
達成で御終いと言う訳にはいきません。
 59秒で泳げるようになれば、次は58秒と目標が上がり
ます。
 そのためには、それを達成するために更に高い能力が
発揮できるようにしなければなりません。
 そのために、今までの負荷より高い負荷に耐えられる
ようにトレーニングします。
 それが、過負荷の原理です。
 その為には、負荷にどのようなものがあるか知らなけ
ればなりません。

  • 速さ(スピード)
  • 抵抗
  • 時間
  • 距離

  1.速さ(スピード)の負荷を上げるとは。
  ディセンディング(本数ごとにタイムを速く泳ぐ)
の場合には。
    50m × 4本 の場合 1本目 34秒~35秒
                2本目 33秒~34秒
                3本目 32秒~33秒
                4本目 31秒以内
    の練習を
      50m × 4本 を 1本目 33秒~34秒
                2本目 32秒~33秒
                3本目 31秒~32秒 
                4本目 30秒以内
  とした場合は、スピードの負荷を上げたことになり
   ます。
 25mや50mのタイムトライアル練習で目標タイム
   を上げる。
               ベスト+ 0秒7以内。
         等の練習では、0秒5以内にする等 

  2.抵抗を大きくするのも過負荷となります。
    抵抗を大きくする簡単な方法は、ドラックベルト
を使用します。
  ※細かな内容はドラックベルトを使った、水中パワ
ートレーニングメニュー」を見てください。
  過負荷の場合は、ドラックとなる器が少しずつ大きな
ものにしてゆきます。又は複数付けるようにしてゆきます。
 複合的に負荷を上げる場合は、ベルトは今までと同じで
も、ディセンディングのタイムを上げる、サイクルのタイ
ムを上げるなどがあります。
   
3.時間(タイム)
 泳ぐ時間も時間ですが、スピードのところで使っていま
すので、ここで大きく取り上げるのは、インターバルのサ
イクルとしましょう。
 水泳演習の場合は、同じコースに複数人が入って練習し
ないといけないという事情から、インターバル練習(サイ
クル練習)は非常に重要な部分となります。
 サイクルが遅すぎれば、過負荷にならず、速すぎれば練
習できません。
 泳力が違う者が、同じコースで練習しなければならない
ことはいくらでもあります。
 基本は一番早いグループが過負荷の練習が出来ることで
す。
 その中で、トップグループのサイクルが早い練習から
コースごとにサイクルを落としたり、距離を替えたりして
行くようにしましょう。

 4.距離(量)
 距離は種目の距離と量の距離があります。
 シーズンの最初は距離(量)もスピードもそれほど速
くないかもしれません。
 シーズンが進むにつれて、泳ぐ距離は増え、スピード
 (サイクル)も早くなっていきます。
  と、自然に泳ぐ量(距離)も増えることになります。
短水路用練習から長水路用練習にするために、長い種目
 が増えてゆきます。

負荷を上げると言っても、どの負荷をどのように上げてゆ
くか、いつから上げたらよいのか、上げられるようにする
ためには何をしたらよいのか、簡単なことではありません
が、そこがコーチの腕の見せ所です。
 

 2.特異性の原理

 特異性の原理とは、「種目特性」などの事です。
 種目特性とは、クロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ等
の種目特性もありますが、クロールの100mと1500m
のような距離特性もあります。
 もっと大きく分ければ、陸上と水泳などの競技の特異性も
あるでしょう。
 同じクロールでも、100mと1500mではものすごく
違います。
リオデジャネイロ・オリンピックの1500m自由形で優勝
した選手は、右手と左手を掻く間に1回しかキックをしない
ワンビートクロールでした。
100m競技ではほとんどの選手が6ビートクロールです。
というように、種目の特性をつかんで練習することが必要
です。

3.可逆性の原理

 可逆性の原理とは、トレーニングを続けていないともとへ
戻ってしまうと言うことです。
 トレーニングして筋肉がついても、ある日骨折をしてギブ
スをしていたら、2週間もするとギブスと体の間にすき間が
出来てきてしまった、と言うのです。
 筋肉はトレーニングを続けていないと、2週間もすると落
ちてきてしまう、と言うことです。
 それでギブスがスカスカになってきたのです。
 トレーニングして鍛えた体は、休み過ぎないようにしなけ
ればなりません。
 同じ練習ばかりしていると、気が付かないうちに休んでい
る練習が出来て元に戻っている所があるかもしれません。
 他の原理原則からも外れないようにトレーニングを組み立
ててゆきましょう!

5原則

 1.継続性の原則

 原理の中に可逆性の原理があったように、続けていかな
ければ戻るか、現状維持となります。
 続けていくことと、他の原理・原則をプラスしてゆくこ
とが必要となります。
 昔から、ことわざにもあるんですね、「継続は力な

り!」です。
 三日以内に終わることを、三日坊主と言います。
 三日で終わったら、1日休んで叉三日やりましょう、そう
すると継続性の原則になります。

 2.全面性の原則

 例え継続していても同じことばかりやっていてはいけま
せん。
 継続して、量的(距離)練習を続けていると、量的には
強くなり持久力がつくかもしれませんが、スピード練習 
が継続していないことになってしまします。
 プル・キック・スイム練習を入れたり、4泳法を練習に
とりれたり、スピード練習や持久力練習を入れたり、泳法
技術やメンタルを高めたり、すべての項目をバランスよく
取り入れてゆくことが必要です。
 これを、全面性の原則と言います。

 3.意識性の原則

 意識して使っていると自由に動かせるようになる筋肉が
あります。
 マッチョが胸の筋肉を動かすのを見ることが良くありま
すが、骨格筋は意識すると体を動かさなくても収縮させる
ことが出来るようになります。
 ヨガの達人がお腹の半分(右または左)を引っ込めたり
もします。
 普通の人は出来ないと思います。
 いつもトレーニングする時にはその部分に意識を集中さ
せてトレーニングしてみてください。
 エネルギーをそこに集中させることが出来るようになる
可能性があります。

 4.漸進性の原則

漸進性(ぜんしんせい)の原則は、少しずつ負荷を上げて
行くことを意味します。
その字のごとく、少しずつ負荷の質や量上げて、パフォー
マンスを向上させることを「漸進性の原則」と言います。

 5.個別性の原則

 個人の体力特性は千差万別、百人百様、みな違います。
 その個、一人一人にあったトレーニングを組まなければ
なりません。
 年齢、体力、体格、持久力、筋力、家庭環境、遺伝、ト
レーニング歴などを考慮して練習内容や負荷を決める必要
があります。
 更にメンタル面の特徴なども考慮する必要があるでしょ
う。
 かと言って、一人ひとり別のメニューをやってゆくのは
不可能です。
 水泳がプールで練習すると言う種目特性上、ひとつのコ
ースへ泳力や年齢、体力の違う者が入って練習しなくては
なりません。
 ですので、同じ練習メニューの中でそれぞれが出来る部
分(必要な部分を)を選択して練習すると言う方法などが
おすすめです。
 泳力、体力、違いがあっても同じコースで練習するには
ルールが必要です。
   例えば
     1.距離に差をつける
     2.サイクルに差をつける
     3.遅れたり疲れたら休み、頑張れたらいく
   等があります。
   練習は25mプールです
 普通にインターバル練習サイクルが間に合う人は普通
に回ります。
 回れない(間に合わない人は後ろからいきます)人は
、20mで帰ってきたり、何本目かに休みます。
 1コース内でも、違うサイクルで出来る場合は人(又は
グループ)により差を付けます。
 サイクルに遅れると言うことは、その人にとってはハー
ド練習になっていると言うことなので、遅れたときは休み
ます。

 まとめ

 原理は自然界にある基本的な法則だそうです、「てこの
原理」とかです。
 原則は共通の決まりごとのようなものだそうですので、
「原則的には部外者は入れない。」とかに使います。
 ですので自然界の法則、過負荷・特異性・可逆性を意識
して、共通の決まり事、継続性・全面性・意識性・漸進性
・個別性を取り入れてトレーニングメニューを作っていき
ましょう。
スポンサーリンク


 

    

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です